敵は多ければ多いほど面白い。
幕末を生きた勝海舟。
幕臣として江戸城を無血開城させ、江戸の街と民を守った武士道の人。
今回はそんな勝海舟の名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「行動あるのみ」について書いていきます。
勝海舟とは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
遊び相手として江戸城で奉公
勝海舟は1823年に江戸で生まれます。旗本の子どもとして生まれますが、先祖代々武士というわけではありませんでした。曽祖父は目が不自由で、当時盲人に許されていた高利貸しの仕事で成功し、武士の身分を獲得しました。
そんな曽祖父の功績により武士として育った勝海舟は7歳の時に徳川家のお孫さんの遊び相手として、江戸城で過ごします。しかし2年ばかりでお孫さんが亡くなり、その後赤坂に住まいを移します。
武士とはいえ勝家の生活は貧しいものだったといわれています。それから勝海舟は道場で剣術の修行のほか、蘭学や禅などもに真剣に打ち込んでいきます。
蘭学を教える塾を開設
特に蘭学にはとても熱心で、日蘭辞書58巻全部を一年がかりで写し切るなど、早くから外国に対する興味と知見がありました。
そんなこともあって28歳の時に蘭学と兵学を教える私塾を開きます。これにより勝海舟の名前は徐々に世間に伝わっていきました。
そして勝海舟が31歳の時、日本の歴史を大きく動かすペリーの黒船が来航します。この一大事に幕府は混乱し、大名から町人に至るまで様々な意見を募集しました。これに勝海舟も意見書を提出、のちに幕府の目に止まり、彼は幕府の役人へ昇進しました。
オランダ語が堪能だった勝海舟はその後長崎の海軍伝習所に入門し、オランダ人教官との連絡係や教監などに取り組んでいました。
使節団の艦長としてアメリカへ
1860年、開国を決めた幕府は使節団をアメリカに派遣します。勝海舟はその船の艦長に任命され、福沢諭吉などもその船に同乗していました。
そして1962年に坂本龍馬が勝海舟のもとを訪れます。坂本龍馬は海舟から外国の話などを聞き、その日のうちに弟子入りを志願します。そのくらい尊敬の念で海舟と対していました。
そこから神戸に海軍操練所を設立し、海舟はそこで指導を任されます。また操練所とは別に海軍塾という私塾も設け、坂本龍馬はそこの塾頭として活躍しました。
西郷隆盛との会談。江戸城の無血開城
時代は幕末。幕府の力も衰え、ついに1867年徳川慶喜が大政奉還をし、江戸時代は終わりました。翌年には新政府軍と旧幕府軍との間で内戦である戊辰戦争が起きます。
勝海舟の最大の働きと言われているのは江戸城の無血開城です。新政府軍を率いていた西郷隆盛は江戸を攻撃しようとしますが、勝海舟は直前に西郷に会談を持ちかけます。様々な条件を提示し、その交渉の成功により、江戸の住民150万人と町は争いの炎から救われたのでした。
明治時代で勝海舟は新政府に一員になるも、あまり気が進まず、すぐに辞職しています。晩年は静かに赤坂で過ごし、77歳でその生涯を終えました。
勝海舟の名言
世の中に無神経ほど強いものはない。
外国へ行く者が、よく事情を知らぬから知らぬからと言うが、知って行こうというのが良くない。何も用意しないでフイと行って、不用意に見て来なければならぬ。
学者になる学問は容易なるも、無学になる学問は困難なり。
上がった相場は、いつか下がる時があるし、下がった相場も、いつか上がる時があるもの。その間十年、焦らず屈んでおれば、道は必ず開ける。
やるだけのことはやって、後のことは心の中で、そっと心配しておれば良いではないか。どうせなるようにしかならないよ。
何でも大胆にかからねばならぬ。難しかろうが、易しかろうが、そんな事は考えずに、いわゆる無我の境に入って断行するに限る。
政治家の秘訣は何もない。ただ「誠心誠意」の四文字ばかりだ。
言葉から見た、勝海舟てこんな人!
忠臣にあふれた武士
幕末、開国、新政府など揺れに揺れていた乱世の日本で生きた勝海舟。
彼は人よりも蘭学を学び、外国に対しての意識も人一倍強かった半面、武士という身分で、幕府の役人という立場に忠実でもありました。
大政奉還後、大阪にいた徳川慶喜は新政府軍を恐れ、家来を大阪に残し江戸に逃げ帰ってしまいます。そんな自分勝手な殿様に対しても勝海舟は忠義を立て、主人とそこに住む江戸の町を守るために必死に働きました。
それは勝海舟の言葉にもあるように「深い誠心誠意の心」があったからこそ、成し遂げられた偉業だったのです。
勝海舟の名言からの学び。[行動あるのみ]
Just do it! まずやってみる!
今回の勝海舟の言葉で心に残ったのが、「無我の境に入って断行する」「どうせなるようにしかならないよ」といった行動に関する言葉たちでした。
人が生きている以上、悩みは尽きないのかもしれません。しかし、ただ考えているだけでは先へは進みません。慎重に塾考することも大事ですが、それを実行する行動を忘れてはいけない。
一歩踏み出せないのなら、一度無心になってあとは運に任せる。そんな気軽な生き方もいいのかな。と、勝海舟の言葉を見て感じさせられました。
Just do it! まずやってみる!
スポーツブランドNIKEの企業スローガンの「行動あるのみ」という言葉にもあるように、いつの時代も実際に行動にすることでしか変化は起きないのかもしれません。
無血のまま江戸を守った勝海舟の言葉からそれを学びました。