すべての病気は腸から始まる
古代ギリシアの医師、ヒポクラテス。
「医学の父」とも呼ばれる偉人です。ヒポクラテス以前の時代、病気は自然の災と信じられ、呪術などで解決しようとされていまいした。ヒポクラテスはそんな中、科学的に病を観察し、医学を宗教的なものから科学へと発展させた最初の人だと言われています。
今回はそんなヒポクラテスの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「心を健康に生きる」について考察しました。
ヒポクラテスとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
2500年前の古代ギリシア時代に生まれる
ヒポクラテスは紀元前460年ごろに、エーゲ海にあるギリシアのコス島で生まれます。
しかし、ヒポクラテスについての伝記は存在するものの、様々な諸説や裏付けのない資料もあり、その生涯は不確かな部分が多いとされています。
父や家庭教師から医学を学ぶ
ヒポクラテスの父親は医者をしていました。また彼が生まれたコス島も医術が盛んな地域だったこともあり、ヒポクラテスは幼少期から医学に近い環境下で育ちました。
コス島のアスクレピオス神殿という学校のような所で医術の勉強をし、運動を病気の治療へ用いた最初の医者とされるヘロディコスからも教育をうけていました。
ソクラテスやプラトンと同時代に生きる
ヒポクラテスが生きた時代は哲学や建築など、様々な文化が一気に発展した時代でもありました。
中でも哲学の祖と言われる、ソクラテスやその弟子のプラトンとも同世代だったと言われています。プラトンの対話篇にもヒポクラテスは度々書かれており、交流があったことも知られています。
生前の活動がヒポクラテス全集やヒポクラテスの誓いへと繋がる
ヒポクラテスは生涯医者として生きますが、両親が亡くなってからは故郷を離れ、ギリシアだけでなく様々な土地を旅しながら医療活動をしました。
アジアまで及んだとされる旅はギリシア中部の都市、ラリサで終わりを迎え、ピポクラテスは100歳前後でその生涯を終えたと言われています。
その約100年後にはピポクラテスの活動などを記した「ヒポクラテス全集」がまとめられ、特に医術への心得を書いた「ヒポクラテスの誓い」は医学生が卒業の際に宣誓文として読むなど、現代医学にも大きな影響を与えています。
ヒポクラテスの名言
人生は短く、技術は長い
心に起きることはすべて体に影響し、体に起きることもまた心に影響する
人は自然から遠ざかるほど病気になる
人生は思考するものにとっては喜劇であり、感情に流されるものにととっては悲劇である
人は身体の中に100人の名医を持っている。その100人の名医とは自然治癒力である
病気は人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである
汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ
言葉から見た、ヒポクラテスてこんな人!
人間の可能性を信じた人
現在から2500年前に生きた偉人、ヒポクラテス。「医学の父」と言われた彼が残したものは西洋医学の礎となりました。
そんなヒポクラテスがいた古代ギリシアの時代、病気は災いとされており、そしてそれを治すために用いられたのが、魔法や呪術などの非科学的なものでした。
ヒポクラテスはそれに異を唱え、観察や経験を重んじる科学医療を初めて提唱しました。
そんな科学の視点を大切にしたヒポクラテスが注目したのが、人間自身の治癒力でした。医者という立場でありながらも、その力はあくまでもサポートであると考え、食事や環境、生活習慣で病を治す、そんな人間に備わっている力を信じました。
それは彼の「人は身体の中に100人の名医を持っている。その100人の名医とは自然治癒力である」という言葉からも感じることができます。
人間の可能性を信じた人。それがヒポクラテスという人でした。
ヒポクラテスの名言からの学び。[心を健康に生きる]
病は気から。心を健康に。
今回のヒポクラテスの名言で印象的だったのが「心に起きることはすべて体に影響し、体に起きることもまた心に影響する」という言葉でした。
トム・ラスとジム・ハーターが書いた著書「幸福の習慣」によると、人が幸福を感じるには5つの要素があると記されています。
彼らは世界でも有数な調査会社に所属し、150カ国での調査分析をもとに、その5つを導き出しました。そしてその中の一つが「健康であること」というものでした。
しかし人間は老いと共にある生き物です。ゆくゆく健康は害され、肉体は動かなくなってしまいます。老い以外でも突然の怪我や病気などで健康が奪われることは誰にでも起こりうることで、そう考えると「健康であること」は、とても限られた時間なのだと感じさせられます。
そして今回選んだヒポクラテスの言葉に触れて、そんな体の健康と人の心はとても関係深いものだと思いました。
ほんの少しの切り傷でさえ、痛みがともなえば、心が沈んでしまうのも珍しくはないはずです。身体的な痛みや苦しみが心に与える影響は、わかりやすく大きいものだと感じます。
しかし、そうであるならば逆も然り。心が体に与える影響もきっと同じくらい大きいはずです。
以前紹介したパッチ・アダムスという医師は、クリニクラウンという「笑い」で病気を治す治療を実践しました。そして実際に笑うことで免疫力が高まるという科学的な根拠もあります↓
幸福の要素として「体が健康である」というは大事な事だと思いますが、「心が健康である」ことも幸福を感じる重要な要素であると、ヒポクラテスの言葉をみて感じさせられました。
病は気から。心を健康に。
2500年前に生きた医学の父、ヒポクラテスの名言からそれを学びました。