人民の、人民による、人民のための政治
アメリカ第16代、大統領エイブラハム・リンカーンが演説の中で言った一言。世界的にそして歴史的にもとても有名な言葉です。
「南北戦争」に「奴隷解放宣言」とアメリカの歴史を大きく動かした人物。
今日はそんなリンカーンの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「人間関係を良くする」について考察します。
エイブラハム・リンカーンとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
開拓農民の子供として生まれる
リンカーンは1809年にアメリカケンタッキー州の田舎の町に生まれます。
父親の仕事は開拓農民で暮らしは貧しいものでした。そのため開墾した土地に作物が実らないと別の土地に引っ越すなど、移動の多い幼少期を過ごします。
10歳の頃から学校にも通いますが、開拓の仕事が忙しかったため、3年の学校生活の内、1年ほどしか学校には行けませんでした。そしてリンカーンが生涯で学校に通ったのはこの1年間だけでもありました。
25歳で州議会議員に当選
22歳の時には家族から離れ独り立ちをしたリンカーン。実業家のデントンオファットに雇われ、船で品物の運搬業を始めました。運搬先のニューオリンズという港町は人口が4万人をこえる大きな街でした。
諸説あるようですが、リンカーンはこのニューオリンズで初めて奴隷市場を目撃し、当たり前のように人が売られる状況に衝撃を受けます。そしてこれが将来の奴隷解放へとつながったと言われています。
その後は雑貨屋の店長になり、その誠実な人柄で店はとても繁盛しました。そして1832年には町の人々に後押しされ初めてイリノイ州の州議会議員選挙に立候補しますが、残念ながら落選してしまいます。
この時期のリンカーンは農場の手伝いや土地の測量、郵便局長など様々な仕事を経験しました。そして25歳の時に再び州議会議員に立候補し、当選を果たします。
アメリカ第16代大統領に
27歳の時には長年続けてきた勉強が実を結び、弁護士の資格も取得します。リンカーンは弁護士としても有能で、弱い立場の人たちを助けました。
この時代のアメリカは州ごとに奴隷制度を認めており、奴隷制度が多くある南部とそれに反対する北部で対立が起こり、それは日に日に激しくなっていきました。
リンカーンはこの南北の対立を危惧し、アメリカを一つにしようと熱く演説しました。それが民衆の心を打ち1860年、アメリカ第16代大統領に選ばれました。
南北戦争と奴隷解放宣言
しかしリンカーンが就任してからすぐに南北戦争が始まります。最初は南部勢力が優勢で北部は苦しい戦いを強いられます。
そんな中、1862年にリンカーンは「奴隷解放宣言」を発表し、白人も黒人も自由に平等であるべきと主張しました。
この宣言はアメリカだけでなく世界中の注目を集めます。そしてゲティスバーグの戦いで北部軍が歴史的勝利を果たすと、1865年、最後の南部軍が降伏し南北戦争は終わりました。この内戦での犠牲者は100万人以上にもなったと言われています。
しかし終戦からわずか5日後、リンカーンは南部のアメリカ人ブースに暗殺されてしまいます。アメリカの自由を願ったリンカーンはその始まりを見ることなく56年の生涯を終えました。
リンカーンはアメリカの歴代大統領ランキングでは常にトップ3に入るくらい、現代でもアメリカ人にとって偉大な大統領であり続けています。
エイブラハム・リンカーンの名言
こちらに五分の理しかない場合には、どんなに重大なことでも、相手に譲るべきだ。こちらに十分の理があると思われる場合でも、小さいことなら、譲った方がいい。
人間というのは自分の気持ちを理解してくれない者には、ついて行かない。
他人の自由を否定する者は、自らも自由になる資格はありません。
敵を無くす一番簡単な方法は、友達になってしまうことだ。
お互いの悪感情を一掃する最良の方法は、相手に直接会って話すことである。
出来ると決断しなさい。方法などは後から見つければいいのだ。
もし相手を自分の意見に賛成させたければ、まず諸君が彼の味方だとわからせることだ。これこそ、人の心をとらえる一滴の蜂蜜であり、相手の理性に訴える最善の方法である。
言葉から見た、エイブラハム・リンカーンてこんな人!
人の味方であろうとする生粋の弁護人
リンカーンは黒人奴隷の解放で有名ですが、常に多くの人の自由を願い、それを主張していました。
奴隷解放宣言もその主張の一つといわれています。
自身も小さい時は社会的弱者という立場で、貧しい生活を強いられていた分、弱い立場の人の気持ちを理解し寄り添えるのかもしれません。
差別を嫌い、万人の自由を主張した生粋の弁護人ですね。
エイブラハム・リンカーンの名言からの学び。[人間関係を良くする]
自分への理解を求めるなら、まず先に相手への理解を示すこと。
人間関係はとても難しいです。
お互い言いたいことや、やりたいことがくい違うと、なおさらです、、、。離婚理由の圧倒的一番の原因は性格の不一致みたいですね。それほど他人と良好な関係を築くのは難しいことなのでしょう。
リンカーンの言葉には、まず相手に対する配慮、尊重、譲る、といった姿勢が感じ取れます。
自分が主張したいという気持ちと同じくらい相手にも主張があって、お互い理解してほしい気持ちがある。それならまず自分が相手を先に理解しようという姿勢ですね。
相手の気持ちを想像し、寄り添い、求めるのではなく自分が先に行うこと。それが大切なんですね。
良好な人間関係は理解の先手必勝だと、リンカーンの言葉から学ばせてもらいました。