
中間管理職と真のリーダーシップとの微妙な半歩の違いは、プレッシャーの下で優雅さを保てるかどうかだろう。
アメリカ合衆国の35代大統領ジョン・F・ケネディ。
ニューフロンティアを掲げ43歳の若さで大統領に就任。これは選挙で選ばれた大統領としては歴代最年少でした。
そんな若きリーダーであったケネディの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「大きな夢を持つ」について考察します。
ジョン・F・ケネディとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
アメリカでも有数な実業家の息子
ケネディは1917年、アメリカのボストンの郊外で生まれました。父親は25歳で銀行の頭取になった実業家で、とても裕福な家庭環境でした。
小さい頃のケネディは病気がちで、また生まれつき背骨に障害があったため寝たきりの生活も多かったと言います。そのため体を動かせない時は読書をしてすごしていたと言います。
1926年に父親の仕事の関係で一家はニューヨークに移ります。ケネディの父親は厳しく「1番になれ」というのが口癖でした。しかしそんな父の願いとは裏腹に、ケネディは興味のない勉強の成績は悪く、優秀な兄とよく比べられていました。
それでも高校を卒業後、最初はプリンストン大学に入学し、猛勉強の末翌年にはハーバード大学に入学しました。
29歳で下院議員に当選
1929年に起こった世界恐慌により世界情勢は悪化、その影響を最も受けたドイツでヒトラー率いるナチス党が台頭し、第二次世界対戦に突入していきます。
そんな中、ケネディはイギリスがヒトラーの野望を見抜けなかった理由をテーマに大学の卒業論文を書きました。この論文は大学でも高い評価を受け、「英国は何故眠ったか」のタイトルで本として出版されるまでになります。
大学卒業後は海軍に入り、兄と一緒に戦争に参加しますが、兄のジョゼフは危険な作戦に志願し、結果命を落としてしまいます。
州の議員を務めていた兄の願いと共にケネディは1946年に下院選挙に立候補します。そしてわずか29歳で当選しますが、下院の5年間は思うような政策は行えずにいました。
ニューフロンティアを掲げ大統領選へ
そこで次は上院議員に立候補します。潤沢な選挙資金を使い不利とみられていた選挙でも見事勝利をおさめました。
そして1960年には4人の大統領候補の1人に選ばれます。若いケネディに心無い批判もありましたが、ニューフロンティアとうたった演説は新しいアメリカの希望を感じさせ、多くの人の心を動かしました。
また黒人運動の指導者であったキング牧師が理不尽に逮捕された時には、司法省に働きかけ釈放を実現させました。これに多くの黒人が感化され、今まで選挙に行かなかったような人たちまで役所に押し寄せたと言います。
第35代アメリカ大統領に
そして接戦の大統領選に打ち勝ち、43歳の若さで第35代大統領に就任しました。就任演説はリンカーンの演説と並び称され、歴史に残る演説と言われています。
大統領になったケネディは自身の考えであるニューフロンティア政策を実行していきます。その中には貧しく弱者と言われる人たちへの支援が多く含まれていました。
ケネディはすべての人間が平等に権利や機会が与えられるべきだと訴え、議会に公民権法案を提出し、あらゆる場面での人種差別をなくそうと働きました。
しかしこの法案が成立する前年、アメリカ南部のテキサス州でのパレードの最中に銃弾をあび、暗殺されてしまいました。その時46歳でした。大統領就任から3年、これからという時期の無念の死でした。
ジョン・F・ケネディの名言


平和は憲章や盟約だけに根ざすものではない。それは人々の心情の中に根ざすものである。

我々は言葉だけでなく、行為でそれを示さなくてはならない。

もし自由社会が、貧しい多数の人々を助けることができなければ、富める少数の人々も守ることができないだろう。

何といっても、我々の最も基本的なつながりは、誰もがこの小さな惑星に住んでいるということにあるのです。誰もが同じ空気を吸っているのです。誰もが子供たちの未来を慈しんでいるのです。

我々が未来に信頼を持つには、まず我々自身を信頼することである。

国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。

存在している物を見て、それがなぜ存在するのかを語ることは誰でも出来る。私は存在しないものを夢見て、それがなぜ存在しないのかを語りたい。
言葉から見た、ジョン・F・ケネディてこんな人!
行動で引っ張ったニューリーダー
ケネディは歴代のアメリカ大統領ランキングでも常に上位に位置するほど、現在でも人気のある大統領です。
ニューフロンティア政策を掲げ、新たなる自由を求めた姿勢は若さと相まって多くの人の心を動かしました。
歴代最年少という「若さ」を揶揄されながらも、その若さを逆に生かし躍動的に行動に移していきます。特にキューバ危機では第三次世界大戦、全面核戦争を未然に防ぐ働きでした。
ケネディの「我々は言葉だけでなく、行為でそれを示さなくてはならない。」という言葉にもあるように行動で引っ張ったニューリーダー。それがジョンFケネディでした。
ジョン・F・ケネディ大統領の名言からの学び。[大きな夢を持つ]
存在しないものにこそ夢をみる
ケネディの名言で印象的だったのが、「存在している物を見て、それがなぜ存在するのかを語ることは誰でも出来る。私は存在しないものを夢見て、それがなぜ存在しないのかを語りたい。」という言葉でした。
世界新記録、まだ見ぬ発明、未確認生物。人の強い興味は自分を含めた人類が未だ成し得ていない偉業に多く注がれます。
ケネディが推し進め、その後1969年にアポロ11号が月に降り立った時、その様子は世界中で同時中継され、歴史的瞬間に皆が心踊り注目しました。
夢は大きければ大きいほどいい。なぜならその夢の大きさに人々は希望を持ち、未来を見ます。そして希望が持てた時、きっと日々の行動にも活力が生まれてくるはずです。
存在しないものにこそ夢をみる。
アポロ計画で人類の1つの夢を形にしたジョンFケネディの言葉からそれを学びました。