努力が効果をあらわすまでには時間がかかる。多くの人はそれまでに飽き、迷い、挫折する。
自動車を大衆化させた自動車王ヘンリー・フォード。
富裕層のためだけだった自動車を安価な価格で提供し、多くの人が車を手にしたことで世界の交通だけでなく産業も活性化させました。
そんなヘンリー・フォードの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「困難を乗り越える」について書いていきます。
ヘンリー・フォードとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
農家の後継ぎを嫌いデトロイトへ
ヘンリーフォードは1863年にアメリカのミシガン州で6人兄弟の長男として生まれます。父親は農場を経営していました。
父から懐中時計をもらったことをきっかけに、機械いじりが好きになったフォードは15歳の頃、友人や近所の人たちの時計を修理していたと言います。
父親は自身の農場をフォードに継いでほしい願っていましたが、機械が好きなフォードは実家を離れ、16歳の時に工業都市のデトロイトに行きます。そして機械工として働き始めました。
エジソン電気会社の技術者
フォードはその後もいくつかの工場を渡り歩き技術を身につけていきました。そして28歳の時にエジソン電気会社に技術者として入社します。
電気の技術にも長けていたフォードは会社で期待をかけられていましたが、彼の関心は自動車の開発に向けられていきます。自宅を改装し作業場を作り、そこで仕事後は毎晩のように研究をしていました。
そして1896年に自転車のタイヤで作った初めての4輪自動車を完成させます。その後も改良を続けていく中、パーティ会場で発明王トーマス・エジソンと初めて対面し、二人は意気投合。この時から関係は続き二人は生涯の友となっていきます。
T型フォードで大衆化に成功
1899年には会社を辞め、本格的に自動車開発に乗り出します。しかし最初に設立した会社で製作した自動車は高価格のな上に、あまり性能も良くなかったため数年で会社は解散してしまいます。
次に立ち上げた会社では宣伝のためにモーターレース用の自動車を開発。レースではフォードの車が優勝し、出資者が集まります。資金が集まり大衆向けの車の製造を試みたフォードですが、高価格モデルを求める出資者たちと対立し、会社を離れることになります。
なかなか思ったように開発が進まない中、1903年、新たにフォード・モーター・カンパニーを設立すると、第一号車となるフォードA型を製作。そして改良を重ねて1908年にフォードT型が発売されると、大々的な広告と低価格が相まって1918年頃にはアメリカの半分の車がフォードT型という状況になりました。
世界の自動車生産の3分の1を担う
そして1932年にはフォード・モーター・カンパニーは世界の自動車生産でも3分の1のシェアを誇るまでに成長します。
経営を息子に引き継いでいたフォードですが、1943年にその息子のエドセルが病気で亡くなったことで社長に復帰します。しかし自身も持病を抱えていたこともあり、その後すぐに孫に社長をゆずりました。
そして1947年、脳内出血のため83歳で息を引き取りました。
ヘンリー・フォードの名言
恐るべき競争相手とは、あなたのことをまったく気になどかけず、自分の仕事を常に向上させ続けるような人間のことだ。
現代の悩みは、人が自分のために何かをしてくれるものと期待している人間が多すぎることだ。今日の大部分の問題の解決は、自分で何かをする一人一人の中に見出される。
たいていの人は、問題を解決しようとするよりも、問題を回避するためにより多くの時間とエネルギーを費やしている。
ひとりの人間にとっての最大の発見、最大の驚きは、自分にはできないと思っていたことが実はできるのだと知ることである。
二十歳であろうが八十歳であろうが、学ぶことををやめた者は老人である。学び続ける者はいつまでも若い。人生で一番大切なことは、若い精神を持ち続けることだ。
ほとんどの人が、成功とは手に入れるものだと考えています。でも本当のところ、成功とは与えることなのです。
「それはできません」と言われることを「やってみよう」というのが、私たちのモットーなのである。
言葉から見た、ヘンリー・フォードてこんな人!
できることを信じていた人
現代ではAIによる自動運転の話題も多くなっていますが、フォードが生きていた100年ほど前は、多くの自動車が街中を走ることも夢物語でした。
富裕層だけが使う高価な機械としての自動車ではなく、誰でも気軽に運転できる社会。フォードはそんな「大衆のためにクルマをつくる」という志を持って突き進んでいきました。
A型から順番に始まったフォード車も大衆化に成功したのは20番目のT型からでした。多くの失敗を繰り返しながら一歩ずつ進んでいったフォードは自分の信じる志を最後まで失いませんでした。
その志の強さはフォードの「「それはできません」と言われることを「やってみよう」というのが、私たちのモットーなのである。」という言葉からも感じさせられます。
できるをこと信じていた人。それが自動車王ヘンリー・フォードという人でした。
ヘンリー・フォードの名言からの学び。[困難を乗り越える]
困難は解決するという意識が大切
今回のフォードの名言で印象的だったのが「たいていの人は、問題を解決しようとするよりも、問題を回避するためにより多くの時間とエネルギーを費やしている。」という言葉でした。
現代社会をみていても何か問題が生じるのを怖れ、それを未然に防ごうとする保守的な行動が多くなっていると、感じることも多いです。
問題の種類にもよりますが、未然に防ごうと努めても問題が起きてしまう時は起きてしまうものです。それを避ける意識よりも、いかに起きた問題を解決に導くか。その意識によって結果は大きく変わってくるのかもしれません。
フォードも次から次へと生じる問題をひとつずつ解決してきたから、自動車王呼ばれる偉業を成し遂げられたのでしょう。
困難は解決するという意識が大切
大衆化に成功した自動車の育ての親ヘンリー・フォードの名言からそれを学びました。