失敗した所で止めるから失敗になる。成功するところまで続ければ成功になる。
一代で日本の大企業パナソニックを創った経営者、松下幸之助。
たった3人からスタートした小さな電気屋が日本の経済を背負うような大企業へと成長したのは彼の経営者としての人格が秀でていたからこそでした。
経営の神と言われた松下さんの名言とそこからの学びを紹介します。
松下幸之助とは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
小学校中退
松下幸之助さんは1894年、明治27年に和歌山県に生まれます。
実家は農家を営んでおり、裕福な環境でしたが、父が米相場で失敗し破産したため、松下さんは小学校を4年生で中退し、9歳で大阪の火鉢店に丁稚奉公に行くことになります。
その後も自転車店などで奉公するなど、少年期を働いて過ごしました。
23歳、95円で独立
明治36年に大阪で市電が開通されました。お使いの途中、初めて電車を見た松下さんは衝撃を受けます。これからは電気の時代が来ると確信し、16歳で大阪電灯、現在の関西電力に入社します。
当時は家庭の電球の取り替えることも専門的な知識が必要なほど、それは複雑で危険な作業でした。松下さんは在職中に誰でも簡単に電球を取り外しできる、ソケットのアイデアを思いつきます。
しかし当時の上司に見せても、使い物にならないと酷評されてしまいます。そこでちゃんとしたソケットを作ろうと23歳の時に独立を決意します。
しかし資金は当時のお金で95円しかなく、ソケットを作る機械も買えないほど、無謀な挑戦でした。
100以上の発明
友人の助けも借りながらなんとか改良ソケットを完成させますが、最初の頃はあまり売り上げはなかったといいます。
奥さんは度々質屋に通うなど、生活は苦しかったのですが、松下さんは貧しさなどは全然気にせず、ソケットの改良に熱中していきます。その後徐々にソケットは売れ始め、事業も軌道に乗ります。
1918年には 松下電気器具製作所(現パナソニック)を創業、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、いわゆる家電を生産し始めてからは、商品は爆発的に売れ、それにともない会社も拡大していきます。
松下さんはソケットの他にも生涯で100以上の発明をしたと言われています。
経営の神様。社会のために
松下電気はその後も成長を続け、日本を代表する大企業へと躍進します。
松下さんはアメリカのニュース雑誌「タイム」の表紙に取り上げられるなど日本の高度経済成長を支えた経営者として、国際的にも注目されました。
日本では一代で松下電気をここまで大きくしたことで、「経営の神様」という異名もあります。
松下さんは「経営というものは常に社会と共にあるものであり、
いい経営というものは必ず社会に貢献する。」
という「社会のために」を強く意識の中に持っている人でした。そんな松下さんは1989年に94歳でこの世を去ります。
松下幸之助の名言
人の誠意は必ず相手に通ずる、という強い確信を持って人生に処したい。
己を無にしてはじめて主座が保てる。無にするとはとらわれないということである。
経営者は、ともに働く、ともに使われるという心がまえで人を使うことが大事である。
この世に存在するものに何1つ不用なものはない。それぞれなりの活用の道があると思う。
喜ぶことを知り、有り難さを知り、感謝する心を知っていれば、この世は非常に楽しいものになる。
自分は自分である。何億の人間が居ても自分は自分である。そこに自分の誇りがあり自信がある。
かつてない困難からはかつてない革新が生まれ、かつてない革新からはかつてない飛躍が生まれる。
おのれを愛するごとく他人を愛する。そんな心からは決して争いは生まれない。
松下幸之助の名言を引用・参考にした文献
言葉から見た、松下幸之助てこんな人!
与えられたものと「共に」生きた人。
人のために、社会のために。
松下さんの言葉からは「共存」という意思をとても強く感じます。
実際社員をとても大切にしたエピソードも多く、終身雇用や週休二日制などもいち早く取り入れ、売り上げも社員に公開し、
「これだけの売り上げが出たよ。ありがとう。」と分け隔てない社員との付き合いを大切にしていたといいます。
困難な少年時代を過ごしながらも、与えられた環境や、人間関係、社会に素直に向き合い、共に生きる。そんな誠実な姿勢に、人はついて行きたくなるのでしょうね。
松下幸之助の名言からの学び。「無駄なものは何もない」
他人に優しく、自分に優しく。
共に生きることを大切にしていた松下さんの言葉には、自分も共存するための大切な存在として、決して傲慢な想いではなく、自分に対する価値を見いだしていたと感じます。
だから他の人にも同じように尊ぶことができたのかなと感じます。
時に人は、他人に対するよりも、自分に対した時のほうが、厳しくなる一面を持っているのかもしれません。自分を許せない状況もあるでしょう。そんな自分の短所や嫌に感じる部分に対しても、誠実になる。
マイナスな面すらも、無駄なものなんてないことを信じる。
他人に優しく、自分に優しく。
社会と人を、そして自分自身を大切にし、日本の高度成長の礎を築いた松下幸之助さんの言葉から
それを学びました。