天分は、持って生まれるもの。才能は、引き出すものよ。
世界的ファッションブランド、シャネル。
その創業者であり、デザイナーでもあるココ・シャネル。世界的ブランドを作った彼女の人生はとても波乱万丈なものでした。
今回はそんなココ・シャネルの名言を紹介し、そこからの学びである「ファッションセンスとは品性を磨くこと」について書いていきます。
ココシャネルとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
12歳で父親から捨てられる
ココ・シャネルは1883年にフランスの西部の町ソミュールで生まれます。シャネルの幼少期は過酷なもので、12歳の時に母親が病死すると、父親はなんとシャネルを含め4人の子どもを捨ててしまい、兄弟はそれぞれ孤児院や修道院で育ちました。
18歳で孤児院を出ると、シャネルは洋服店でお針子(仕立屋に雇われて衣服などを縫う女性)の仕事を始めます。しかしこの頃は芸能界に憧れ、将来は歌手になりたいと思っていたようです。
その後仕事のかたわら、キャバレーなどで歌を歌うようになり、その時のによく歌っていた曲が「Ko Ko Ri Ko(コケコッコウ)」と、「Qui qu’a vu Coco dans le Trocadero(トロカデロでココを見たのはだれ)」だったため、それらの題名にちなんで「ココ」という愛称で呼ばれるようになりました。本名はガブリエル・ボヌール・シャネルです。
歌手に挫折し帽子屋を創る
歌手を目指し、オーディションなどを受け続けるも、落選ばかりでした。現実は厳しく、彼女は歌手の道を諦めることになります。
夢やぶれ、落ち込んだ彼女をいやしたのが、当時恋人であった将校エティエンヌ・バルサンでした。社交場などにシャネルを連れて行き、友人たちとの楽しい時間の中で、シャネルの気持ちも回復していきます。
そんな時に暇つぶしのように制作していた帽子が周囲の高い評価を得ます。恋人のバルサンから資金援助もあり、1909年、パリに帽子のアトリエを開業します。
洋服のデザインを始める
そして翌年には「シャネルモード」という帽子専門店を開店させ、その3年後の1913年には2号店をオープンさせるなど、どんどん事業を拡大していきました。
そして1914年には、帽子だけでなく洋服なども販売する総合的なファッションブティック「ガブリエル・シャネル」をオープンさせます。
彼女は次々と斬新な洋服をデザインしていきます。当時はドレスといえばコルセットが多用されていた時代でした。シャネルは「女性はなぜ窮屈な洋服に耐えなければならないのか」と。疑問を呈し、コルセットをなくしたドレスを生み出します。そしてこれが大ヒットとなりました。
最期まで波乱万丈
1921年には有名な香水「No.5」を発表するなど、ブランドは世界的なものへとなっていきました。しかし苛酷な労働条件を理由に社員がストライキを起こし、「シャネル」は一部店舗を残して全て閉鎖し、ココ・シャネルも一時引退することとなります。
同じ年に第二次世界大戦が起こります。シャネルはドイツの軍人と愛人関係にあり、スパイ行為もしていたとされています。そのためスイスに亡命。長らくファッションの世界から遠ざかります。
その後1954年にフランスに戻りファッション界に復帰しますが、戦争中の自国への裏切り行為のため散々なバッシングにあいます。しかしアメリカで1960年代後半にかけて起こった女性解放運動により「シャネルスーツ」が脚光をあびるようになりました。
またデザイナーとして輝きだした矢先、ココ・シャネルは次の日のコレクションの準備をしていたホテルの部屋で息を引き取りました。最期まで波乱万丈だった彼女の人生は87年で幕を閉じます。
ココ・シャネルの名言
欠点は魅力のひとつになるのに、みんな隠すことばかり考えている。欠点はうまく使いこなせばいい。これさえうまくいけば、なんだって可能になる。
下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は人物を引き立たせる。
私は贅沢が大好きです。贅沢とは、お金を持っていることや、けばけばしく飾り立てることではなく、下品でないことをいうのです。下品こそ、もっともみにくい言葉です。私はこれと闘う仕事をしています。
私は流行をつくっているのではない。スタイルをつくっているの。
今もなお、最も勇気のいる行動とは、自分の頭で考え続けること。そしてそれを声に出すこと。
みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。でもそれが私の成功の鍵。みんなと同じ格好をしなかったからよ。
私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの。
言葉から見た、ココシャネルてこんな人!
服は着るだけのものではない。女性の佇まいを提唱した人
シャネルの言葉からはファッションや美しさへの情熱。また「自分がこうありたい」という姿に対する強い意志を持っている人だと感じました。
それはたとえ周囲の批判を受けようとも貫き通す意志。その継続により、いつしか周りはそれを受け入れ、新しいファッションスタイルができあがっていきました。
女性の権利を主張した女性解放運動が先進国の間で盛んな時代に、シャネルスーツがヒットしたのもデザインだけでなくそんなシャネルの意志が投影されていたからなのでしょう。
服を作るだけでなく、それを通して女性の生き方やあり方を提唱した人。それがココ・シャネルでした。
ココシャネルの名言からの学び。[ファッションセンスとは品性を磨くこと]
自分を偽らない意志が品を生み出す
今回紹介したココシャネルの言葉で一番印象的だったのが、「下品こそ、もっともみにくい言葉です。私はこれと闘う仕事をしています。」というなかなか強烈な言葉です。
シャネルは下品とはお金があるなしに関係ないと言っているように、お金があっても下品と感じる人もいれば、質素でも上品な雰囲気の人もいます。
品性とはは身に着けたり、着飾るものではなく自分の内面を写すもの。自分を偽り過剰に良くみせようとすると内面と外面のギャップから、バランスが悪くなり、それは他人に伝わります。
自分を偽らない意志がその人の品を作っていく。そして洋服は自分の品性を最大限に引き立たせるもの。
品性となる内面の意志を貫き、世界的ブランドを築いたココシャネルからそれを学びました。