レイモン・サヴィニャックの本の名言
[レイモン・サヴィニャック自伝]

レイモン・サヴィニャック自伝本の名言

今回の本の名言で取り上げたのはフランスのポスターデザイナー、レイモン・サヴィニャックの自伝です。

柔らかい独特のタッチのイラストが特徴のサヴィニャックのデザイン。フランスだけでなく世界中の企業の広告ポスターを制作し、日本でも森永としまえんのポスターを手掛けています。

この本はサヴィニャック自ら書いた唯一の自伝で、幼少期からの出来事がなかなか事細かに記されています。デザイナーだけでなく1人の人間の生涯としてもとても面白く、読み応えのある一冊です。

著者紹介

著者であるレイモン・サヴィニャックは1907年にフランスのパリで生まれます

幼少期はデザイナーではなく自転車のレーサーを夢見ていましたが、才能の限界を感じそれを諦めます。

自転車以外に好きだったのが絵を描くことだったので、サヴィニャックは15歳で学校を辞め、デッサン部門のある会社に就職し働き始めます。

しかしその後リストラに合うなど、会社を転々とする日々を送ります。なんとかデザインは続けるも戦争に出兵するなど、満足に働けない期間もありました。

そして転機となったのが41歳時、友人と2人で開いた作品展でした。そこで展示していたモンサヴォン石鹸のポスターが、当時の社長の目に留まり、商品ポスターとして採用されることとなります。

それをきっかけにサヴィニャックのデザインは注目され、その後一気に人気デザイナーとして飛躍していきました。

世界的な企業のポスターを数々手がけ、95歳まで生きたサヴィニャック。その制作活動は晩年まで続けられていたといいます。

レイモン・サヴィニャックについてはこちらに詳しく書いています↓

レイモン・サヴィニャックの本の名言

「レイモン・サヴィニャック自伝」の中で心に残った名言を抜粋し、紹介します。

アイデアというものは、普通の人々が考えているものとは違う。散歩していて見つかるとか、酒を飲んでいて思いつくとか、失恋のどん底で思い浮かぶとか、そんなものではないのだ。それは探し出して見つけるものだ。時として時間をかけて、また汗水たらして。それは「脳みそをしぼる」ことを要求するのだ。

私のめざす目標は、力強いことは当然として、それだけでなく、人間的でありかつシンパシーをかきたてる、そんなポスターを作ることにある。

私の本領は、「装飾的な」装飾を生み出すことにはない。そうではなく、心理的な装飾を生み出すことなのだ。

私が描くポスターは、自分向けか、さもなければ、限られた友人向けのものである。私を面白がらせるものが、どうして大衆には面白くないわけがあろうか。私にとって面白くないものを描こうとすれば、それは大衆を軽んずるに等しいような気がする。

私にとって、良いポスターというのは、仕上げてしまった後で、それ自体が提起した問題の、唯一無二の解決になっていると思わせるものである。大体こんなものでよい、というたぐいのものは好かない。

私がポスターにこめようとしたものは、上機嫌なのである。ユーモアというよりはユムール(上機嫌)なのだ。

本の名言からの学び

まず自分という「1人の人間」を喜ばせる

ヨーロッパ、フランスの商業広告の一時代を築いたポスター。そんな文化的な側面も持つ商業ポスターの歴史の中でもサヴィニャックは存在感を放っています。

シンプルで温かみのあるイラストと色使いで作風を確立させたサヴィニャックは、「41歳で生まれた」と自身で語るように遅咲きのデザイナーでもありました。

この自伝を読むと、とても不器用で真っ直ぐな人であると感じさせられます。広告代理店システムが導入され、写真などもポスターで使われるように時代が変化する中でも、自分が信じるポスターの形、シンプルで明快でユーモアのある世界観を追求しました。

私が描くポスターは、自分向けか、さもなければ、限られた友人向けのものである。私を面白がらせるものが、どうして大衆には面白くないわけがあろうか。私にとって面白くないものを描こうとすれば、それは大衆を軽んずるに等しいような気がする。

という彼の言葉は、自分が信じることを貫く大切さを教えてくれます。不特定多数の大衆に向けた媒体であるポスターですが、その目的は企業や商品の「意志を伝える」ことです。

だからまず自分という1人の人間を喜ばせ、楽しませないといけない。自分が面白い、ワクワク、楽しいと感じないようなものは、きっと他の人にもその気持ちや温度は伝わらない。

これは時代問わず、様々な仕事にも共通する本質的な内容であると感じます。

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