どう生きるか なぜ生きるかの名言|稲盛和夫の本の名言からの学び

どう生きるか なぜ生きるか 稲盛和夫 本の名言本の名言

今回の本の名言で取り上げたのは日本を代表する経営者、稲盛和夫さんの著書である「どう生きるか なぜ生きるか」です。

稲盛さんは京セラ、KDDIといった大企業を創業し、高齢ながら倒産さしたJALの会長に就任すると、短期間で再建させるなど、数々の偉業を成し遂げました

この本は稲盛さん肉声のCD付きで、人生の目的をテーマに会社経営や様々な人生経験などで獲得し、悟ってきた自身の哲学が簡潔に書かれています

比較的大きな文字でページ数もさほどないので、サクッと稲盛さんの考えに触れるにはとても良い一冊です。

著者、稲盛和夫の紹介

稲盛和夫さんは1932年に鹿児島県で生まれます。

戦後の不況に陥った日本。受験失敗に就職難など、幼少期から様々な逆境を経験します。やっと就職できた会社も倒産寸前の状態でした。

そんな環境下でも新しいセラミック開発を成功させ、27歳で京セラを創業。そしてその後アメリカのIBMなど大企業のセラミック部品開発も手がけるようになり、京セラの名は一気に知られるよになりました。

50歳を超えた稲盛さんは、NTTの独占体制にあった通信事業に参入し、誰でも手軽に電話を使えるようにとKDDIを創設しました。

また78歳の時に政府に依頼され、2兆円を超える負債をだし倒産した日本航空(JAL)の会長に就任し、経営改革を行います。なんとこの時、稲盛さんは無報酬でその仕事を請け負うことを自ら申し出たといいます。

そしてわずか2年足らずで業績を回復させ、JALは再上場を果たしました。2020年現在、88歳になる稲盛和夫さん。その歩みは今もお続いています。

稲盛和夫さんについてはこちらに詳しく書いています↓

どう生きるか なぜ生きるかの名言

「どう生きるか なぜ生きるか」の中で心に残った名言を抜粋し、紹介します。

運命というものは近代的な学問、科学的 には証明されていませんが、私は厳然としてあると思っていますし、またそう思うべきだと思います。否定してみたところで何の益もありません。

感謝する心が一番進んでいる考え方なのですが、その手前では、腐らず、不平をいわず、恨まず、妬まず、 苦難に耐えていくということが必要になります。

お釈迦さまのように悟りを開いたような人であれば、何もしなくても、感謝の心で対応できますが、我々凡人はそうなれっこありません。まったく逆のことをしてしまうのが我々です。ですから、せめて我々には、そうして理性でもって 対処する方法しかないのです。

ほんとうに立派な修行をしていらっしゃる方なら、何もいわなくても、そういうときには自然に感謝の心で対応できます。それが修行をした、悟りを開いた人なのですが、我々凡人にそんなことはできやしません。ですから、このことを理性で覚えて、理性で入れておき、理性でもって使うということが必要になるわけです。

人生の結果=考え方×熱意×能力

この方程式は、普通の人間がどうすれば成功を成し遂げるかということを表している。才能がなくても、誰よりも情熱を燃やして努力する人は、才能に恵まれ、努力をしない人よりも、大きいことを成し遂げることができる。 さらに、考え方が人生の成功、不成功を決定づける。

私は、「善き思い」をもつと運命が好転するのは、人を助けるような美しい思いが宇宙の法則にかなっているから だと考えている。宇宙には、すべてのものを成長発展せる自然の力が流れている。これは、宇宙の法則とも呼べるものだ。この宇宙の法則と順行するか逆行するかで、 人々の運命は決まってくる。

心を高めるということは、生まれたときよりも少しでも 美しい心になって死んでいくことだと思う。生まれたときよりは死ぬときの魂のほうが少しは進歩した、少しは心が磨かれたという状態。それは、身勝手で感情的な自 我が抑えられ、心に安らぎを覚え、やさしい思いやりの心がしだいに芽生え、わずかなりとも利他の心が生まれるというような状態だ。また、そのように心を高めていくことこそが、我々が生きる目的だ。

どう生きるか なぜ生きるかの名言|稲盛和夫の本の名言からの学び

感謝は理性で意識する

この本を読んで、新しい考え方に出会いました。それは「感謝は理性で使う」というものです。

感謝とは字のごとく、感情が動いた時に出る謝辞です。しかし稲盛さんは感謝は感情ではなく、理性で使うことが大切だと語りました。

天邪鬼(あまのじゃく)という代名詞もあるように、人間は時に思っていることと逆の行動をとってしまう生き物です。

「ありがたい」と思いっていても、いろいろな負の思いが湧いてきて、なかなか素直にそれを伝えられない。そんなこともあると思います。

そんな時、「良いことをしてもらったらありがとうを言う」ということを機械的に頭に入れておけば、負の感情に邪魔されず感謝できるのかもしれません。

例えばコップの中に飲み物がちょうど半分入っているとして、ある人は「もう半分しかない」と考え、ある人は「まだ半分も残っている」と考える。現象は同じでも、考えは捉え方次第で変わります。

些細なことにも感謝することは気持ちを前向きに変えてくれます。理性で感謝する習慣をつけると心も自然とポジティブになっていく。そんな新しい考え方を教えてくれた本でした。