星の王子さまの名言|短いひとこと名言

星の王子さまの名言のイラスト1 偉人の名言

人は、目に見えるものだけを見てしまう。けれど、本当に大切なことは心でしか見えないんだ。

『星の王子さま』は、フランスの作家であり飛行士でもあったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによって、1943年に亡命先のアメリカ・ニューヨークで出版されました。第二次世界大戦の最中、作者が故郷や失われた純真さへの想いを込めて執筆したと言われています。特に、彼がサハラ砂漠に不時着した実体験が、物語の舞台設定に大きく影響を与えています。

この物語は、砂漠に不時着した飛行士(語り手)と、故郷の小惑星B612からやってきた王子さまとの出会いを通じて展開する哲学的童話です。

星の王子さまの物語の主な特徴

その最大の特徴は、「大切なものは、目に見えない」という普遍的なメッセージです。王子さまが旅で出会う、数字や権威に囚われた風変わりな大人たちの姿は、大人が忘れがちな本当に大切なことを風刺的に描いています。

また、故郷の星に残してきた一輪のバラとの複雑な関係や、地球で出会うキツネから教わる「なじむ(絆を結ぶ)」ことの意味は、愛、責任、そして友情という深遠なテーマを提示します。作者自身が描いた素朴な挿絵もまた、物語の純粋さを際立たせています。

星の王子さまの名言|短いひとこと名言

星の王子さまの名言のイラスト3

きみが、きみのバラのために費やした時間の分だけ、きみのバラは大切なものになるんだ。

ほんとうに役に立つものは、心の目を向けないと見えないんだ。

星がきれいなのは、目に見えない花が、どこかに咲いているからだと思っているよ。

きみはきみ自身を裁くと、世界を裁くよりも、ずっと難しいんだ。

もし、誰かが(この世に)一つしかない花を愛しているなら、その人は星々を見て幸せになれるだろう。

一人ひとりがそれぞれの方法を持っているんだ。

あの星々は、いつの日か誰かが自分の星を見つけられるように灯されているんだ。

星の王子さまの作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介

星の王子さまの名言のイラスト4
  • リヨンの貴族の家に生まれる
  • 郵便飛行士としての過酷な経験
  • 『星の王子さま』の誕生と普遍的なメッセージ
  • 軍務中の消息を絶ち、謎の死を遂げる

リヨンの貴族の家に生まれる

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは1900年6月29日、フランスのリヨンで伯爵家の四男として生まれました。裕福な家庭で育ちましたが、幼い頃に父を亡くし、母と兄弟と共に過ごす中で、感受性豊かな少年として成長します。彼は幼少期から文学に親しみ、また、機械や発明にも強い関心を持っていました。

彼はフリブール(スイス)の学校などで文学を学びますが、大学卒業の資格は得られませんでした。その後、海軍への入隊を目指すも失敗し、1921年に兵役で陸軍飛行連隊に入隊します。この兵役中にパイロットの免許を取得したことが、彼の運命を決定づけました

郵便飛行士としての過酷な経験

兵役を終えた後、サン=テグジュペリは一時、様々な職を転々としますが、1926年頃から、南米やアフリカを結ぶ民間航空会社で郵便飛行士として働き始めます。当時の飛行は設備や気象情報が不十分で、常に死と隣り合わせの過酷な仕事でした。彼は、サハラ砂漠での不時着を含む数々の危機的な状況を経験しました。

彼の代表作『夜間飛行』や『人間の土地』といった作品は、この郵便飛行士としての実体験に基づいており、空の孤独、使命感、そして連帯の精神を深く描いています。彼にとって「飛ぶこと」と「書くこと」は不可分であり、飛行士としての経験が彼の文学の源泉となりました。

『星の王子さま』の誕生と普遍的なメッセージ

飛行士として国際的な評価を得ていたサン=テグジュペリは、作家としても次第に名声を確立していきます。第二次世界大戦が勃発すると、彼はフランス軍の偵察機パイロットとして従軍しますが、フランスがナチス・ドイツに敗れるとアメリカへ亡命します。

この亡命中に、彼の最も有名な作品となる童話『星の王子さま』が執筆され、1943年にニューヨークで出版されました。この作品は、彼がサハラ砂漠に不時着した自身の経験を下敷きに、大人の世界の本質の見失いを批判し、目に見えない大切なものや絆の尊さを訴えかける普遍的なメッセージを持っています。

軍務中の消息を絶ち、謎の死を遂げる

1944年、サン=テグジュペリはアメリカでの亡命生活を終え、北アフリカの連合軍に復帰し、偵察飛行の任務に就きました。 同年7月31日、地中海上空での偵察飛行に出発したのを最後に、彼は消息を絶ちました。享年43歳でした

当時の状況から、敵の戦闘機に撃墜された説や、機体の故障による事故説など、様々な憶測を呼びました。彼の死後も長らく行方不明とされていましたが、2000年代に入り、彼の乗機の一部と見られる残骸がマルセイユ沖の地中海で発見され、彼の最期の状況に迫る手がかりとなりました。 最後まで空に生き、空で死を迎えた彼の生涯は、彼の作品が伝える「人間的な価値」への探求そのものであったと言えます

今日の英語

  • flight・・・飛行