吉田松陰の名言からの学び。[小さなことにこそ信念を持つ]

吉田松陰 画像偉人の名言

学問とは、人間はいかに生きていくべきかを学ぶものだ。

江戸時代末期に生きた思想家、教育者である吉田松陰

自身の塾では初代総理大臣になる伊藤博文高杉晋作などを弟子に持ち、教育を行いながら、明治維新につながる活動を行いました。

今日はそんな吉田松陰の名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「小さなことにこそ信念を持つ」について書いていきます。

吉田松陰とは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介

吉田松陰の名言からの学び。[小さなことにこそ信念を持つ]のイラスト4
  • 11歳の時に藩主の前で初の講義
  • 19歳で兵学を教える師範になる
  • 松下村塾を開校
  • 倒幕を志し、死刑に処される

11歳の時に藩主の前で初の講義

吉田松陰は1830年に長州藩士であった杉百合之助の息子として、現在の山口県で生まれます。そしてしばらくすると父の弟、吉田大助のもとに養子に出されました

しかしその後すぐに大助が急死してしまいます。そのため松陰は若干6歳で吉田家の家督を継ぎ、まだ幼かったため、叔父である玉木文之進に厳しく躾けられ、教育を受けていきました。

そんな教育もあってか松陰は11歳の時に藩主毛利敬親の前で講義を行い、その出来があまりに見事だったため、松陰の名はいっきに街に知れ渡りました。

19歳で兵学を教える師範になる

その才能を認められた松陰は13歳で長州藩の軍事演習を指揮したと言います。そんな早熟な松陰は19歳で藩校・明倫館の師範となり、兵学を教えるようになりました。

この頃、産業革命により急激に文明を発展させたイギリスなどの西洋諸国はアヘン戦争などアジアにも勢力を拡大していました。これに危機感を感じた松陰はもっと知識を得ようと21歳の時、勉学の旅に出ることになります。

九州を回りその後江戸、東北方面にまで足を運びます。そして江戸に滞在中の1853年にペリーの黒船が浦賀に着くのを目撃し、西洋文明の進歩を肌で感じ大きな衝撃を受けました。

松下村塾を開校

これにより外国に強く興味を惹かれた松陰は、なんとか外国に行こうと外国船に乗り込もうとしますが、結局その願いは果たせませんでした。そして当時外国に行くことが禁じられていたため、松陰は牢屋に投獄されてしまいます。

牢屋の中でも松陰は囚人たちに学問を教えるなど、教育に携わっていました。その約1年後、松陰は自宅に戻ることを許されます。

その後、叔父の玉木文之進が開いていた「松下村塾」の名を引きつぎ、塾を開校します。この松下村塾では高杉晋作伊藤博文などそうそうたる歴史人たちも生徒として教えを受けていました。

松下塾では一般的な講義形式で教えるのではなく、生徒と意見を交わし、一緒に問題を考えるような姿勢を大切にしていました。

倒幕を志し、死刑に処される

幕末の時。1858年に幕府は日本に不利な条件である日米修好通商条約をアメリカと結び、それにより全国で尊王攘夷運動は激化していきます。

尊王攘夷派だった松陰も倒幕を目指し様々な運動を起こします。しかしその行動が長州藩に問題視され、再び牢屋に幽閉されてしまいます。そしてしばらくして江戸幕府のもとへ護送され、厳しい取り調べを受けました。

そんな状況でも自分を曲げず、松陰は思いの丈をそのまま幕府に伝えました。これを受け幕府は松陰に死刑を宣告し、吉田松陰は30歳の若さで斬首刑に処されその生涯を終えました。

吉田松陰の名言

吉田松陰の名言からの学び。[小さなことにこそ信念を持つ]のイラスト1

君子は何事に臨んでも、それが道理に合っているか否かと考えて、その上で行動する。小人は何事に臨んでも、それが利益になるか否かと考えて、その上で行動する。

人間たる者、自分への約束をやぶる者がもっともくだらぬ。

夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に 成功なし。

奪うことができないものは志である。滅びないのはその働きである。

志を立てて始めたことは、全身全霊を尽くして行い、やめるのは死んだ後だけである。

何事であっても、人に対する思いやりや慈しみの心を動機としないのであれば、どうしてなし遂げることができようか。

どんな小さなことでも正しいか正しくないか、よいか悪いかという点において信念を失わないという頑固者でなければ、何をさせてもちょっとしたことしかできず、しっかりとしたことを行うことはできない。

立派な人が大事にするのは、議論ではなく行動である。多言を費やすことなく、人としての誠をしっかり蓄えなさい。

言葉から見た、吉田松陰てこんな人!

吉田松陰の名言からの学び。[小さなことにこそ信念を持つ]のイラスト3

志のために生きた人

吉田松陰の言葉には自分の考えに対する強い思いが宿っています。国を良くする。その思いを持って外国を知ろうとし、若い者たちを教育し、倒幕を目指しました。

その強い思いは死ぬことすらも恐れていない。むしろ何もやらず死ぬことを松陰は自分に良しとしませんでいた。それは彼の「志を立てて始めたことは、全身全霊を尽くして行い、やめるのは死んだ後だけである。」という言葉からも感じ取れます。

自分の人生を自分のだけのものと思うのではなく、後にのこる人たちに繋ぐものと考え、その人生を日本を変えるために捧げました。そして、その志を受け継いだ弟子の高杉晋作が、のちに藩をあげて倒幕に向かっていくのでした。

志のために生きた人。それが吉田松陰という人でした。

吉田松陰の名言からの学び。[小さなことに信念を持つ]

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信念を貫くのは些細なことから

今回の吉田松陰の名言で印象的だったのが「どんな小さなことでも正しいか正しくないか、よいか悪いかという点において信念を失わないという頑固者でなければ、何をさせてもちょっとしたことしかできず、しっかりとしたことを行うことはできない。」という言葉でした。

これまで紹介してきた偉人たちも大きな偉業を成す前に、それにつながる本当に小さな努力を大切にしていました。

何事も小さなことの積み重ねであり、それは良いことにもそして悪いことにも言えることです。「このくらいならといいや」という気の緩み。そんな許容を徐々に広げていくと、気付いたら後戻りできないところにいる。そんなことも昨今のニュースを見ていると感じさせられます。

どんな小さなことにも自分の信念を持つことが大切。吉田松陰の言葉に触れてそう感じました。

信念を貫くのは些細なことから

死をも恐れず信念を曲げずに生きた吉田松陰の言葉からそれを学びました。

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  • conviction・・・信念