いっしょうけんめい描いているつもりだけど、 いっしょうけんめいなのと上手いのとは全く別なんだなァ…と思った。
日本の漫画家、さくらももこ。
1990年からアニメ化され、国民的漫画となった「ちびまる子ちゃん」や「コジコジ」などの作品を残し、エッセイ作家としても数々の本を出版しています。
今回はそんなさくらももこさんの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「自分の適性を見つける」について考察します。
さくらももことは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
八百屋の次女として生まれる
さくらももこさんは1965年に静岡県の清水市に生まれます。本名は三浦美紀さん。家は八百屋を営んでいました。
幼少期から絵を描くことが好きで、高校生になったら漫画を投稿してみようと漠然と思っていたさくらさんですが、学生時代はいたって普通の生活をおくります。
高校は女子校に入学し、部活は物理部に所属します。しかし物理に興味があったわけではなく、いちばん何もしなくてもいい部、というので入部を決めたといいます。
高校二年生の終わりに漫画を描き始める
そんなさくらさんの転機となったのが、高校2年生の最後の学期でした。「高校になったら漫画を描こうと思っていたのに、何もせず2年が過ぎてしまった。高校を卒業する前に漫画家になれるか試してみたい。」
そう一念発起し、文房具屋で紙とペンを買い、初めての本格的な漫画に挑戦します。当初は正統派な少女漫画家志望だったさくらさんは、毎日明け方まで描き続ける生活をおくります。
そして高校3年生の学期が始まり、ようやく初めての漫画作品を描き上げます。しかし、初めて投稿した作品は入賞はおろか、”問題外”とされるBクラスに選ばれてしまいます。
全力で挑戦しても届かなかったことへの敗北感から、さくらさんは漫画以外に自分が何ができるか考え、一時期は落語家や漫才師など、お笑いの世界に行こうとも考えていたといいます。
得意のエッセイと漫画を組み合わせる
しかし次第に、漫画家や芸人などの奇抜な夢を追わずにありふれた人生も悪くないと、心境も変化していきました。しかし、短大入学のための模擬テストで作文を書いた時「エッセイ風の文章が高校生とは思えない」と先生から絶賛されます。
こんなに文章を褒められるとは思っていなかったさくらさんですが、「得意なエッセイと漫画を組み合わせたらどうなるだろう?」と思いつき、再びペンをとります。
小さい頃から思い描いていた漫画家への夢を再熱させたさくらさんは、寝る間も惜しんでエッセイ漫画に没頭します。そして投稿した作品は初めて入賞しました。
21歳の時にちびまる子ちゃんの連載スタート
短大に進んださくらさんは、18歳の時に「教えてやるんだありがたく思え!」で念願の漫画家デビューを果たします。1986年、短大を卒業し、出版社に入社しますが、2ヶ月足らずで退社し、漫画家だけで生きていくことを決断します。
そして同じ年の8月に「ちびまる子ちゃん」の連載がスタートしました。1990年にはアニメ化もされ、さくらさんは主題歌「おどるポンポコリン」の作詞を担当し、その年のレコード大賞も受賞するなど、マルチに活躍していきます。
その後も「神のちから」や「コジコジ」などの漫画作品や、「もものかんづめ」などをはじめとする多数のエッセイ本も残しました。晩年は乳がんを患い、闘病を続けたさくらさんは、2018年53歳で惜しまれながらその生涯を終えることとなりました。
さくらももこの名言
シンプルは“粋”で、懐石料理みたいな良さがあります
そんなもの目指してもムダだ、やめた方がいい等と家族以外の親戚の人にまで言われたりしたが、大きなお世話だった。素直にやめたとしても、誰も私の人生の責任なんてとってくれない。他の人の人生じゃない、私の人生なんだ、と誰かに何か言われるたびに強く思った。
よく、夢は願っていれば叶う、とか思い続けてればきっと叶う。とか言うけれど、私個人としては、人にそんな事をとても言えない。 “叶う事もあるかもしれない”か、或いは「叶うといいね」という言葉が精一杯だ。でも、叶った人がいないわけではない。だから叶う事もあるかもしれないのだ。
何回かやってみて自分が本当にそれに合っているのかどうか、実力も含めて冷静に判断する事も必要だと思う。自分はとにかくそれになりたいとかそれ以外に考えられないという情熱だけではどうにもならない場合も多い。どうにかなる職種もあると思うが、それは それでいいとして、どうにもならない職業の場合は実にシビアなものだ。
毎日、人の数だけ違う事が起こっている。 同じ日なんて無い。一瞬もない。自分に起こる事をよく観察し、面白がったり考え込んだりする事こそ人生の醐味だと思う。
人生って夢やイメージではなく、毎日毎日が続いてゆくものであり、人間が一日にできる事といったらホントにちょっとだけだし、ちょっとだけしかできない事を、楽しんだり味わったりしてゆく気持ちを若い頃から忘れないでいて欲しいと思う。
少女漫画のラブストーリーは、次々と思い浮かぶ気がしなかったが、エッセイ漫画ならできる気がする。できる気がするというより、できない気がしないと言った方が微妙に正確かもしれない。
さくらももこの名言を引用・参考にした文献
言葉から見た、さくらももこてこんな人!
当たり前の日常を楽しんだ人
現在も人気アニメとして放送され続けている「ちびまる子ちゃん」。サザエさんと並び国民的アニメとして長い間親しまれている作品です。
さくらさんの幼少期をモデルとしたこの作品は、何でもない日常をとても魅力的に描いています。そしてその当たり前のような毎日があることを幸せと感じさせてくれます。
そう感じるのも、作者であるさくらさんが日常を魅力的に見つめていたからでしょう。なんて事ない事柄にも楽しみや喜びを見つける。そんな彼女の視点から生み出される文章や絵に多くの人が魅了されたのだと感じさせられます。
当たり前のにある日常が幸せであり、小さなことにも楽しむ心を持った人
それはさくらさんの「人生って夢やイメージではなく、毎日毎日が続いてゆくものであり、人間が一日にできる事といったらホントにちょっとだけだし、ちょっとだけしかできない事を、楽しんだり味わったりしてゆく気持ちを若い頃から忘れないでいて欲しいと思う。」という言葉からも感じることができました。
さくらももこの名言からの学び。[自分の適性を見つける]
できることから始めることが夢へと導く
今回のさくらももこさんの名言で印象的だったのが「よく、夢は願っていれば叶う、とか思い続けてればきっと叶う。とか言うけれど、私個人としては、人にそんな事をとても言えない。 “叶う事もあるかもしれない”か、或いは「叶うといいね」という言葉が精一杯だ。でも、叶った人がいないわけではない。だから叶う事もあるかもしれないのだ。」という言葉でした。
さくらさんは漫画家を目指した当初、正統派の少女漫画を描きたいと思っていました。しかし、ラブストーリーを考えたりすることに自信をなくし、そんな時に見つけたのがエッセイ風に漫画を描くという道でした。
本望ではないにしろ、エッセイという自分の得意とする作風をみつけたさくらさん。そしてその作品は彼女しかできない世界観を作りました。
さくらさんも言うように誰もが好きなこと、やりたいことを仕事にできるわけではありません。しかし決して無理なことではないはずです。もし正統派で難しいのであれば、別の方法を考えてみる。
その時、自分が得意なこと、今できることから考えてみることが大切であり、その延長に夢に続く道があるのだと、エッセイ漫画という道を見出したさくらさんの言葉に触れて感じさせらてました。
できることから始めることが夢へと導く
国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」を生み出した漫画家、さくらももこさんの名言からそれを学びました。