目の前の仕事に専念せよ。太陽光も一点に集めなければ発火しない。
イギリス、スコットランドの発明家、アレクサンダー・グラハム・ベル。
世界で初めて電話の実用化に成功し、人類歴史でみても大きな発明を残した偉人です。
今回はそんなグラハム・ベルの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「柔軟でいることの大切さ」について考察します。
電話の発明者グラハム・ベルとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
幼少期から発明家の素質を備える
グラハム・ベルは1847年にスコットランドで生まれます。父親は声や話し方の研究家で、大学でも教授を務めていました。そして母は音楽を得意としており、ベルは幼少期からピアノなどの楽器を弾きこなしていたといいます。
そんな両親の影響もあり、ベルは声や音に小さい時から興味をひかれていました。また家の近くには大自然が広がっており、ベルはいつも外で遊び好奇心旺盛な少年でした。
そして発明家の素質は小さい時から備わっていました。ある日製粉所を営んでいる父親を持つ友達と遊んでいた時に、コムギの殻むきを頼まれます。
しかし手でむくのが大変だと知ったベルは、簡易的な脱穀機を作ってしまいます。これをみた友人の父親はとても驚き、以降この脱穀機は友達の家で何年も使われることとなりました。
10代から講師として働き研究の日々
11歳の時に地元の高等学校に入学すると、そこに4年間通います。その後は1年間ロンドンにいる祖父のところに行き、父親と同じく話術や言葉についての勉強をしました。
そして16歳でウェストン・ハウス・アカデミーで話術を教える講師になり、また同じ学校で生徒としてラテン語やギリシア語などを学びます。
その後ベルは父親の仕事を手伝うこととなり、そのかたわら音声についての研究や実験をするようになりました。そして19歳の時にそれまでの研究を論文にまとめ、父親の友人の教授に見せます。そしてそれをきっかけとして、音を送る電信機のヒントを得ます。
体を壊しイギリスからカナダへ移住
それによりベルは前にも増して研究に没頭します。しかし休みなく寝る間も惜しんでの実験や研究に無理が重なり、ベルは体調を崩してしまいます。
そんなベルを安じた両親はカナダの田舎の街に移住することを決断します。自然に囲まれた環境でベルの体調は回復し、再び元気に活動できるようになりました。
そして26歳の時に若くしてアメリカのボストン大学の教授に就任すると、仕事のかたわら、変わらず実験も続けました。
電話の発明、実用化に成功
そして幾たびの失敗を乗り越え、1876年29歳の時に電話の実験に成功します。そして翌年にはベル電話会社を創業し、本格的に通信事業を展開していきます。
ベルの発明により一般的にも実用化が可能となった電話は、その10年後にはアメリカで15万台も使用されるなど、爆発的に世界に広がっていきました。
その後もベルは研究を続け、電話だけでなく様々な分野の発明をしました。晩年まで精力的に活動を続けたグラハム・ベルは1922年に75歳でその生涯を終えました。
グラハム・ベルの名言
例え小さな発見であっても、それをないがしろにしてはいけない。一つの発見は他の発見へと繋がるのだ。そのうち考えることで頭がいっぱいになり、考えた結果として本当に大きな発見をするのだ。
扉が閉じたらもう一つの扉が開く。だが、閉じられた扉を悔しそうにじっと見つめていては別の扉が開いたことに気づかない。
人々は皆、人生を歩む中で周りが見えていない傾向があると私は感じる。我々の周りには多くのものがあり、歩くたびに見たことのないものがある、それは今まで見ようとしてこなかったものだ。
生きていることは素晴らしい。この世界は面白いことでいっぱいだ。
偉大な発明や進歩は、必ず多くの人々の協力を得てなされる。私が閃いたと思った発明でも、さらに開発を進めてみると、私自身よりも他の者の貢献を感じるのだ。
神は我々に驚嘆するような道をお与えくださる。人生を目を閉じたまま過ごしてはならない。
同じ道に永遠と居座らず、鳥の群れや羊が行き来するように、誰かが去りまた誰かが来る道を行くのだ。時には踏み慣らされた道を外れて森に飛び込んで見ることだ。必ず今まで見たことのないなにかを見つけられるだろう。
言葉から見た、グラハム・ベルてこんな人!
発明することに面白さと喜びを感じた人
実用電話の発明で有名なベルですが、それ以外にも水中船や飛行機など、様々な分野の発明に携わってきました。特許も多く取得し、人類の科学の進歩に最も影響を与えた1人とされるほどに、多くの功績を残します。
しかし、無理をして研究したことで病気になるなど、実際に電話を発明し実用化するまでには多くの時間と困難がありました。
そんな逆境を乗り越え、研究に没頭できたのも、彼が高い好奇心を長期にわたり持ち続け、まだ見ぬものを発見し生み出したいと願い、そして何よりその過程に楽しさを感じていたからでしょう。
それはベルの「生きていることは素晴らしい。この世界は面白いことでいっぱいだ。」の言葉からも感じることができます。
発明することに面白さと喜びを感じた人。それがグラハム・ベルという人でした。
電話の発明者グラハム・ベルの名言からの学び。[柔軟でいることの大切さ]
過去にとらわれず柔軟になる
今回のグラハム・ベルの名言で印象的だったのが「同じ道に永遠と居座らず、鳥の群れや羊が行き来するように、誰かが去りまた誰かが来る道を行くのだ。時には踏み慣らされた道を外れて森に飛び込んで見ることだ。必ず今まで見たことのないなにかを見つけられるだろう。」という言葉でした。
ベルが電話の発明に成功したのは機械の故障での偶然の出来事からでした。科学を進歩させてきた歩みの中で、人知を超えた発明は常に意図しない偶然があります。
しかし人によってその偶然はミスとして流されてしまうことも大いにあると感じます。実際ベルはその故障により発明のヒントを得ましたが、助手のワトソンはただの故障としか感じませんでした。
故障というネガティブな状況の中でも、そこで生じた偶然にヒントを見出し、そして受け入れる。何かを成し遂げるためにはそんな柔軟な心がとても重要な要素だと感じました。
長く生きていると、自分の実績や成功体験が積み重なり、それを基準に物事を判断することが多くなる思います。しかし過去の固定概念に縛られていたら、偶然から来るような新しい変化のサインに鈍感になってしまうのかもしれません。
常に謙虚に、過去にとわれずフラットな自分になること。その意識がまた次への発見と成長につながっていくのだと、ベルの言葉に触れて感じさせられました。
過去にとらわれず柔軟になる
人々の暮らしに電話をもたらした偉大な発明家、グラハム・ベルの名言からそれを学びました。