小さなことこそ大切だというのが、ずっと私の信条だ。
イギリスの推理小説家、アーサー・コナン・ドイル。
シャーロック・ホームズの生みの親として有名ですが、元々は医者をしており、小説は仕事の空き時間の副業として始めたものでした。
今回はそんな多彩な才能を持つコナン・ドイルの名言を紹介し、その言葉たちからの学びである「盲目にならず事実を見る」について考察します。
アーサー・コナン・ドイルとは?どんな人? 生い立ち・生涯・経歴を紹介
医者を志し、医学部へ
コナン・ドイルは1859年にスコットランドで生まれます。父親は測量技師をしていまいしたが、アルコール依存症だったため仕事を失ってしまいます。その後、父親は精神病院に入院することとなり、幼少期のドイルは貧しい生活をおくります。
しかし祖父や伯父は画家や美術館の館長などで成功していたため、学費などの彼らの支援を受け通うことができました。カトリックの家庭だったこともあり、ドイルはイングランドやオーストリアでイエズス会系の学校に通います。
そして17歳の時にエイジンバラ大学の医学部に進学します。その大学でジョセフ・ベルという教授に出会ったドイルは、ベル教授の患者の症状だけでなく、これまでの経歴も当ててしまうような鋭い観察眼に感銘を受け、彼をモデルにシャーロックホームズを書いたとされています。
船医を辞め、診療所を開業
大学には5年間通い、その間通学途中にあった古本屋によく立ち寄っていたというドイルは、その時に様々な小説に触れました。
22歳で大学を卒業するとアフリカ汽船会社に船医として就職します。しかし船の中で蔓延していたマラリアに自身も感染するなど、過酷な環境だったこともありすぐに仕事をやめてしまいます。
その後は大学の同級生と2人で診療所を経営することになりますが、関係が悪化し、結局ドイルは一人で診療所を開業することとなりました。
不朽の名作、シャーロック・ホームズが生まれる
医者といってもさほど稼ぎが良いわけでもなく、患者がこない時は時間を持て余していたドイル。そんな中、ドイルはその時間を利用し短編小説を執筆し始めます。
雑誌社に小説を買ってもらえるなど、わずかながらお金を手にできたドイルは、短編小説ではなく長編を書こうと思い立ち、1886年に名作となるシャーロック・ホームズを書き上げます。
しかし、出版してくれる場所がなかなか見つからなく、やっとのことで翌年に出版されるも、あまり世間からは注目されませんでした。
その後、1889年に書いた歴史小説が出版されると、たびたび重版されるなどそれが出世作となります。それをキッカケにその後に出版されたシャーロック・ホームズの二作目もヒットすることとなります。
政界に進出を試みるなど様々な分野で活動
この期間も診療所を続けていたドイルですが、1890年に突然眼科医になることを決意します。しかし患者があまり来ることはなく、結局診療所は閉鎖し、小説家だけで生きていく道を選びます。
そしてその後シリーズとして書かれることとなったシャーロック・ホームズは世界的に大ヒットしていきました。
ボーア戦争では医者として戦地に行き、兵士の治療をしたり、その後政界進出を願い、選挙に立候補するなど様々な分野で活動したコナン・ドイルは1930年、71歳でその生涯を終えました。
アーサー・コナン・ドイルの名言
見るべき場所を見ないから、それで大切なものを全て見落とすのさ。
人は自分たちの理解できないことを軽蔑する。
物語の知られざる側面を明かすとき、崇高な道徳心が最高の知恵であることに気付くであろう。
全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる。
明白な事実ほど、誤られやすいものはないよ。
実生活こそ、いかなる想像力の産物にもまして思いきった、何がおこるか底知れぬ不思議なものである。
偉大なる精神に小事なし
言葉から見た、アーサー・コナン・ドイルてこんな人!
自分の大切なものを求めた人
代表作のシャーロック・ホームズをはじめ、世界的な推理小説家として有名なコナン・ドイルですが、元々の職業は医者であり、また政界に立候補するなど多彩な面を持っていました。
小説家として成功しながらもボーア戦争では戦地での奉仕活動を願い出て、医者として働くなど献身的な一面も持ち合わせていました。そんな行動もドイルが自国イギリスのことを強く想っていたからでした。
帝国主義であったドイルは、当時世界を席巻していたイギリス、大英帝国の発展こそ、世界の秩序形成になることを信じていました。
その思想が正しいか正しくないかは置いといて、彼の行動は自分の人生よりも自国へ向いていました。常に自分の大切なものを意識し、行動する。
それはドイルの「見るべき場所を見ないから、それで大切なものを全て見落とすのさ。」という言葉からも感じることができます。
自分の大切なものを見続けた人。それがコナン・ドイルという人でした。
アーサー・コナン・ドイルの名言からの学び。[盲目にならず事実を見る]
選ぶのではなく、残す
今回のコナン・ドイルの名言で印象的だったのが「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる。」という言葉でした。
人間は他の動物と違い喜怒哀楽のある感情的な生き物です。感情があるからこそ、人類は他とは違う発展を遂げ、多くのものを得ることができたのだと思います。
しかし、そんなポジティブな面とは裏腹に感情があるからこそ複雑になっていることもあると、昨今のフェイクニュースなどをみても感じさせられます。
感情に振り回されると事実が見えなくなる。物事を自分の尺度で測り、決めつける。そのようなことで事実がねじ曲がって捉えられてしまうことも珍しくないはずです。
そんな中、今回の言葉で学んだのは、決めるのではなく消していく行動。でした。事実をコレと決めるのではなく、他の不確定要素を取り除き、残ったものを事実とする。
真実がわからなく、見えなくなった時に、先入観や感情だけに流されず客観的に残ったものを真実とする考え方も大切だと、今回のコナン・ドイルの言葉に触れて感じさせられました。
選ぶのではなく残す。
世界的推理小説家、コナン・ドイルの名言からそれを学びました。